大判例

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古川簡易裁判所 事件番号不詳 判決

主文

被告人菅原源太郎を罰金三万円に同千葉幸治、同浅野栄治、同浅野幸を各罰金一万五千円に処する。

右罰金不完納の被告人があるときは金五百円を一日に換算した期間その被告人を労役場に留置する。

訴訟費用は被告人等の連帯負担とする。

右被告人等に対し公職選挙法第二百五十二条第一項に規定する選挙権および被選挙権を有しない期間を各三年に短縮する。

理由

(犯罪事実)

被告人菅原源太郎は昭和三十四年四月二十三日施行の宮城県会議員選挙に加美地区から立候補して当選した者、同千葉幸治・同浅野栄治・同浅野幸の三名は共に右源太郎の選挙運動者であるところ、

一、右四名は共謀して同選挙に被告人源太郎に投票を得る目的で、その選挙の告示前である同年四月二日被告人四名自動車に同乗して別表のとおり、同選挙区の選挙人である高橋幸外三十三名方を戸別に訪問し、その際

1  熊谷惣治、大場信男、計良富次の三名に対し巻タバコしんせい各十個一包(価格四百円)を早坂養吉に対しタオル三本入紙箱一個(価格百五十円)を、いづれも源太郎に投票方を依頼し、その報酬とする趣旨でそれぞれ供与し、

2  三浦良一、千葉胤一、藤原忠治、菅原忠一、今野貞三郎、文屋力雄の六名に対し同様しんせいを、今野幸一、佐藤保次、天野武夫、早坂寿治、畠山敏四名に対し同様タオルを、いづれも別紙記載応待者を通じて同様投票方を依頼し、その報酬とする趣旨を以て、それぞれ提供して供与の申込をなし

二、同様被告人源太郎に投票を得る目的で被告人源太郎、同栄治、同幸の三名共謀の上、浅野力之助に対し浅野美代子を通じて同様投票方を依頼し、その報酬とする趣旨を以て金三百円を提供して供与の申込をし

三、同様源太郎に投票を得る目的で被告人源太郎、同栄治の両名は共謀の上、西塚新三郎に対し同様投票方を依頼し、その報酬とする趣旨を以て金三百円を供与し

四、被告人源太郎は単独で自己に投票を得る目的で遠藤真治に対し同様投票方を依頼しその報酬とする趣旨を以て金千円を供与し

たものである。

(証拠)(省略)

(適条)

被告人菅原源太郎に対し

公職選挙法第二百三十九条第一号第三号、第百二十九条、第百三十八条第一項、第二百二十一条第一項第一号第三項(共犯の分については刑法第六十条も適用)(いづれも罰金刑選択)、刑法第五十四条第一項前段(犯情重き買収の罪により処断)、第十八条第一項、公職選挙法第二百五十二条第一項第三項、刑事訴訟法第百八十二条

他の被告人三名に対し

公職選挙法第二百三十九条第一号第三号、第百二十九条、第百三十八条第一項、第二百二十一条第一項第一号、刑法第六十条(いづれも罰金刑選択)、第五十四条第一項前段(犯情重い買収罪により処断)、第十八条第一項、公職選挙法第二百五十二条第一項第三項、刑事訴訟法第百八十二条、

公訴事実中猪股弼、千葉正一郎に対する部分は同人等の各供述調書によれば被告人等が訪問した時は全家不在であつたことが認定できる。全家不在の時は訪問といい得ないものと解するので戸別訪問罪は成立しないがこれ等は包括一罪の判示戸別訪問の一部として起訴されたこと明らかであるから特に無罪の言渡をしないものとする。次に浅野力之助に対する供与の申込については千葉幸治が西塚新三郎に対する供与については千葉幸治浅野幸が又遠藤真治に対する供与については源太郎以外の被告人が共謀したとの証拠はないがこれも同様理由により特に無罪の言渡をしないものとする。(昭和三五年五月一一日古川簡易裁判所)

(別表は省略する。)

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